教育学コース スタッフ紹介 コースのWEBサイト
山名 淳(やまな じゅん) 教授
教育哲学
専門は教育哲学・思想史研究です。人間が環境に働きかけ,そこに< 文化> を生み出しつつ,その< 文化> が人間に作用し返すような力動性を想像してみます。この力動性を主役として世界を眺めるとき,通常は人間を主役として理解される教育がいかに捉え直されるのか,ということに関心があります。Bildung 概念とその飜訳問題,都市と学校のアーキテクチャ問題,「新教育」の理論と実践,記憶と想起の教育学(メモリー・ペダゴジー)などを具体的な考察の領野としつつ,この課題に取り組んでいます。
代表著書:
- 『都市とアーキテクチャの教育思想』(勁草書房)
- 『夢幻のドイツ田園都市』(ミネルヴァ書房)
- 『災害と厄災の記憶を伝える』(共編著,勁草書房)
小国 喜弘( こくに よしひろ) 教授
教育史
学校教育に関する言説・制度・実践などを歴史的に対象化することを目的とし,日本教育史の研究に取り組んできました。特に1945 年を画期とする戦前から戦後にかけての教育方法の特徴をナショナリズムとの関連に焦点をあてて読み解くことを課題としています。近年は障害児教育の歴史の再検討を手がかりに、インクルーシブ教育の問題に取り組んでいます。
代表著書:
- 『戦後教育のなかの<国民>』(吉川弘文堂)
- 『障害児の共生教育運動』(編著,東大出版会)
- 『戦後教育史』(中公新書)
隠岐 さや香(おき さやか)教授
教育史
高等教育・研究について制度史および科学思想史の両面からアプローチしています。主に欧州の18 ─ 20 世紀を中心に,学問や芸術は「役に立つ」ものであるべきか否かといった議論の発展過程や,文系・理系を含めた分野ごとの考え方や文化の違いを思想史的に検証しています。また,大学やアカデミーなどの教育・研究の組織がいつ,どのように出現したのかについて,社会史的・経済史的に考察することを行っています。
代表著書:
- 『 「役に立たない」研究の未来』(分担執筆,柏書房,2021)
- 『文系と理系はなぜ分かれたか』(星海社,2018)
- 『 科学アカデミーと「有用な科学」 フォントネルの夢からコンドルセのユートピアへ』(名古屋大学出版会,2011)
片山 勝茂(かたやま かつしげ) 准教授
教育人間学
対立する複数の価値観が並存しながらも、自由で平等な市民が協力して維持する、正義に適った安定した民主的社会はいかにして可能か。ジョン・ロールズが残したこの問いに教育学の立場からアプローチするべく、「教育と人間と社会のあり方」を考察しています。特に関心を持っている教育のフィールドは、多文化社会イギリスと日本におけるシティズンシップ(市民性)教育と道徳教育です。
代表著書:
- Education and Practice: Upholding the Integrity of Teaching and Learning(Blackwell Publishing)(分担執筆)
- 『道徳教育の可能性――その理論と実践』(ナカニシヤ出版)(分担執筆)
- 『英国の教育』(東信堂)(分担執筆)
大塚 類(おおつか るい) 准教授
教育臨床学
専門は臨床現象学です。被虐待,不登校,発達障がい,慢性疾患といったさまざまな〈生きづらさ〉を抱えている幼児から高齢者を対象とした,フィールド調査やインタビュー調査を行ってきました。現象学の知見に基づく事例研究を介して,人間の本質的な在りようを描き出すことと,認識が変わるという意味での〈教育〉の方途を探ることを目指しています。
代表著書:
- 『施設で暮らす子どもたちの成長』(東京大学出版会)
- 『さらにあたりまえを疑え!』(新曜社)(共著)
- 『すき間の子ども,すき間の支援』(明石書店)(共著)