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比較教育社会学コース

コースの特色

比較教育社会学コースでは,社会学を中心に,歴史学,経済学,文化人類学などに基づいて,「社会現象,文化現象としての教育」を,国際比較や異文化理解を含めた多角的な視点から,総合的に考察できる学生の育成をめざしている。

今日ほど,教育と社会のあり方が深刻に問われる時代はない。教育抜きには社会のしくみの理解が不可能なほど,教育は現代社会に深く,複雑に組み込まれている。例えば,教育格差の問題,不登校やいじめなどの問題などは,教育と社会との現代的なむすびつきのなかで生起する問題である。

一方,グローバル化に伴う国境を越えた事象,国際協力に関わる教育領域等もまた,重要課題となっている。さらに,高等教育は,その形態,機能,起源の点で,中等以下の教育とは一線を画し,入試や学歴,科学技術・学術政策,専門職養成など,独自の問題領域として広範な広がりをもつ。

こうした状況の中で,教育の社会科学的研究は,事実を直視することから始め,ミクロからマクロまでの広がりをもつ「社会現象,文化現象としての教育」に,理論的・実証的にアプローチする。すなわち,比較教育社会学コースは,複雑化し,多様化し,グローバル化する現代教育の諸相を,社会科学的に解明しようとする学際的なコースである。

コースの内容

比較教育社会学コースは,様々な視点や領域から社会や文化と教育の関係を検討することを目指している。比較教育社会学コースは,ともに教育社会科学専修を構成する教育実践・政策学コースとの連携を深め,さらに多角的・実践的な視点から社会と教育を追究することを目指す。

コースとしては例年,「教育社会学概論」「高等教育概論」「比較教育学概論」「比較教育社会学研究指導」「教育社会学調査実習」「教育のフィールドワーク研究」「教育社会学理論演習」「高等教育の社会学」などの講義,演習を開講し,教育社会学,比較教育学,高等教育研究の基礎的知識や方法論が修得できるように配慮されている。また,英語による専門講義も開講されている。

その中で,「教育社会学調査実習Ⅰ~Ⅳ」は,3年次に全員が履修することになっており,テーマの設定からデータの収集,コンピュータによる分析まで,社会調査の全過程を実際に体験することができる。例年,五月祭には,その調査結果の発表が行なわれている。また,フィールドワークと仮説生成的研究の方法を実習する講義も提供され,様々な方法を用いて社会を見ていくことを学ぶ。これらの実習を通じて,社会学の実証的方法を修得すると同時に,社会的現実に対する鋭い洞察力を自然に身につける学生が多い。

これらの講義,演習のほかに,「教育経済学」「学校」「ジェンダー」「家族」「逸脱」「文化」「教育開発」「エスニシティ」「教育の歴史社会学」などのテーマに関連した授業が開講され,幅広い興味や関心にそった研究を行なうことができる。

卒業論文は必修であり,個々の学生独自の研究成果をまとめる格好の機会となっている。コースの多様性を反映して,ユニークでバラエティに富む力作が多数執筆されている。

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